猛走

七夕だし天の川を良く見える場所へと近くの山の展望台へ

「ねぇ、本当に良く見えるの？」

「あぁ、バッチリ下見しといたからな。でもこの天気だとなぁ…。」

天気はあいにくの曇りだった。

「よし、着いたぞ。」

「わぁ〜、いい眺め。でもやっぱり天の川は見えないね。」

「最近晴れが続いてたのに今日に限って…。」

「織姫と彦星、会えないんだね…。1年で1度だけなのに。」

「そうだなぁ…。」

「2人とも寂しくないのかなぁ」

「えっ？」

「だって1年で一回だけなんだよ。私はライトといつでも会えるけど…」

「マリア…」

「私だったら耐えられないだろうなぁと思ってさ…」

「そりゃ俺だって寂しくてたまんねぇよ！」

「2人とも今日を楽しみにしてただろうし…」

「そうだよな。でもその分俺たちのことを見守ってくれてると思うぜ。感謝しなきゃな。」

「そうだね。今をもっと大切にしなきゃって思うよ」

「なぁマリア、来年の七夕もまたここに来ないか？」

「ライト…」

「だって今度は俺たちが見届ける番だろ。」

「でももし来年も曇りだったら…」

「また次の年に来るだけだ。そんな難しいことじゃない。約束だ。またここに来よう。」

「そんなこと言っといてライトのほうこそ約束破らないでよ〜。」

「わかった、わかった。よし帰るか。」

「うん！」