埋め合わせは妄想

ネタ:デート



彼女の誕生日に野球場デートに行き、その帰り道


「いやー、残念だったな。」



「ボロボロで負けたのに?」



「やっぱ貰い物のチケットじゃダメか…。」



「初めて見に行った試合で10点取られたし、完全試合されたし一生忘れられない誕生日になりそう。」



「ま、まぁ気分変えて飯でも食いにいこうぜ。」


「もちろん今日はおごりよね。」



「へっ?あ、あぁいいよ。じゃあ、あの店にしよう。」



「イタリアン?高そうだけど、おごりだからまぁいいわ。」





「いやー、うまかったな。」



「高いだけのことはあるわね。で本当にお金は大丈夫なの?」



「まっ、大敗したからやけ食いってことで。」



「それにしても他のお客さんはみんな帰っちゃって、今わたしたちだけじゃない。」



「もうこんな時間だからな。」



「うん。」



彼女が席を立ちトイレへ向かった。

トイレを出ると店内は真っ暗だった。



「ちょ、ちょっと何これ!?」



「こっち来いよ。」



暗闇の中に数本のろうそくの明かりがあり、そこへ近付くと、



「えっ、ハッピーバースデー◯◯…」



「消せよ。」



彼女が火を消すと、店内の照明がついた。



「改めて誕生日おめでとう!」



「えぇ〜。」



「あらかじめ店に頼んどいたんだよ。ここのオーナー知り合いでさ、彼女の誕生日に何か派手なことやりたいって言ったら協力してくれるって。」


「◯◯…」



「野球が勝ってれば言うことなしだったんだけどな〜。」



「◯◯…」



「ほら、早く座れよ。」



「ありがと。」